本川をつたえて

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本川をつたえて に対するレビュー1件

  1. 常広 一信

    過日、播本 洋(ハリモト ワタル)さん宛てに2冊送っていただくようお願いした常広一信です。
    私も『本川をつたえて』読みました。
    特に2か所で涙が止まりませんでした。

    まず、私の姉(昭和17年生・9つの歳の差があります)は、楠木町で被爆し、右頬にガラスが刺さった傷が残っています。私が中学生の頃、結婚にまつわる偏見(差別)を受けていました。「被爆者じゃけぇ、移るけっぇ・・・」何度も縁談を断れたのを目の前で見聞きしました。  
    (思い出して、ここで一度目の涙)

    そして、私の母は、天満町で被爆しました。(母の手記を、時々、平和公園の地下に見に行っています)
    父は重慶方面に出兵中でした。

    お伝えしたいことは、ここからです。
    私(昭和26年生)には、姉か兄がいたようです。母は前の年に死産を経験したようです。
    炭化したような真っ黒の子を産み落としたそうで、産婆さんからの連絡で、すぐに警察+ABCC+GHQが来て、無条件で持ち帰ったそうです。

    母も父もそのことを口にしたことはありませんでした。母が他界(2018年10月31日)する直前に、姉が私に話してくれました。

    昭和33年に広島城が復元され、しばらくの間、博物館のように色々な展示がありました。中国山地から出たクジラの化石や瀬戸内海から捕れたマンモスの化石、数メートルものサナダムシのホルマリン漬けなど・・・。
    その展示の中に、ホルマリンに漬けられた真っ黒な胎児もありました。私は、父に連れられ、何度も見に行った記憶があります。
    若しかして、あれは・・・。そう思わざるを得ないのです。  
    (二度の死産の話で、二度目の大涙!)
    あのホルマリン漬けの真っ黒な胎児に逢うことはできないのか・・・。
    少し調べたことがあります。市に確認したら、現在はアメリカから返還されているはずで、残してあるのなら、放射線影響研究所か広島大学にあるかも知れない、とのことでした。
    「姉か兄に会ってみたい!」と思いながら、「もう、イイじゃなないか!」と思ったりして過ごしていました。
    私自身が他人に語ることのない事です。

    今回の課『本川をつたえて』は、こんなことを思い起こしてくれました。

    産まれて来れなかった姉か兄が、悪いものを全て流してくれたのだと思っています。私は、(アタマと性格以外は)どこも悪いところはなく、健康そのもので71歳を生きています。感謝・感謝の毎日です。

    『本川をつたえて』に感謝!
    悲しみの中で語ってこられた清子さんに感謝! 
    田中八重子さん、奥原球喜さんに感謝しています。
       
    2022(令和4)年10月28日    常広 一信

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